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2012年11月08日

瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

10月27日(土)、
第7回 「 瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会 」が開催されました。

瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会


奄美の学校では、方言を禁止された時代もありましたが
現在では郷土のものを大切にしようと、
伝統芸能や方言を取り入れた授業が行われています。

シマ独特の文化や伝統を学び、
郷土への関心や誇りを持つ心を育てることを目的に開かれるこの大会。

シマグチ(集落の言葉、方言)を使った劇、
三味線やシマ唄、集落の伝統芸能を、
地域の人たちなどから学び子ども達が披露します。

今年からは校区・集落(シマ)の特徴をいかして
のびのびとやってほしいと、
昨年までやっていた表彰などを止めたそうです。


参加した学校は、瀬戸内町内にある15学校(129名)。

久慈小中学校、篠川小中学校、薩川小学校、薩川中学校、
西阿室小学校、俵小学校、俵中学校、伊子茂小中学校、諸鈍小中学校、
秋徳小中学校、池地小中学校、油井小学校、
嘉鉄小学校、阿木名小学校、古仁屋中学校 


舞台は、瀬戸内町中央公民館。
こんな多くの観客を前に発表するのは、さぞかし緊張したことでしょうね。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





それでは、発表順に紹介していきます。


1) 嘉鉄小学校 18名
シマグチ劇 「 けんむん と こうみにゃ 」 

いつも一人ぼっち、いたずら大好きな妖怪ケンムン。
川に住む小さな貝コウミニャたちと出会い、
友だちとなり、優しさを知っていくストーリーを劇にしました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

嘉鉄小学校は、毎年シマ唄、三味線、八月踊りになどに取り組み
地域のかたがたとふれあい伝統文化の継承につとめています。

ケンムン役の男の子、こども探検隊の時はいつも元気いっぱいな姿を見せてくれてますが、
ステージ直前には、とっても真面目に
集落のかた(でしょうか?)と、一緒にセリフの練習をしていました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





2) 篠川小中学校 16名

三味線・シマ唄 「 いとう 」「 一切朝花 」

瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

毎月1回子ども会を中心として、全員でシマ唄・三味線の練習、
学校でも月1回地域のかたに来ていただいて指導もしてもらっているそうです。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

豊年祭や、33年続いている高齢者表敬訪問で披露。
伝統の灯りを消すことのないように、
小学生も三味線を少しずつ練習しているそう。

瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

とても安定感のある演奏と唄でした。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





3) 伊子茂小中学校 8名
シマグチ劇 「 屁ひり嫁 」

家の中のものや姑さんまで吹き飛ばすほどの強烈な「屁をひる」困った嫁。
この嫁を実家へ送り返そうとした道中、大変な手柄をたて
「この嫁は宝物だ!」と再び幸せに暮らしたお話。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

毎年行われる学習発表会では、
地域に伝わる昔話をシマグチ劇を発表。
今年は笑い話で有名な「屁ひり嫁」をちょっとアレンジしたそうです。

カワイイ女の子が、「屁ひり」のポーズ!
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





4) 西阿室小学校 5名
伝統芸能 「 立神太鼓 」

加計呂麻島の西にある集落、
西阿室の立神に打ち寄せる波の様子を表現した太鼓演奏。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

全校児童5名。
1年生1名・2年生2名・4年生2名と、低学年が多かったですが、
力強い演奏です。

ポーズも決まってました!
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





5) 秋徳小中学校 7名 
シマグチ劇 「 自然の冷酷さと人の温かさ 」


昨年11月2日に瀬戸内町を襲い甚大な被害をもたらした豪雨災害。
この秋徳校も、校舎や校庭、体育館が浸水し、
自然の恐ろしさを体験しました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

その日のことを、写真で見せながら、
舞台上での演技とうまくミックスさせて再現。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

たいへんな思いをしながら、地域の人たちなどの協力を得て、
さまざまなことを感じ、得難い経験をしました。
感謝の気持ち、伝わってきましたよ。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





6) 薩川中学校 8名(含む教員3名)
伝統芸能(棒踊り) 「 実久 棒踊り 」

加計呂麻島の実久集落に伝わる実久棒踊りを披露。
旧暦9月9日の実久三次郎祭りで奉納される伝統的な踊りです。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会


薩川だけでなく、芝や瀬武、木慈などの豊年祭では、
安来棒踊りなども披露し、さまざまな伝統芸能を学んでいる薩川中学校のみんな。
夏休みから何度も練習を重ねて来たことがわかる、
勇壮で、迫力のある棒踊りでした。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





7) 俵中学校 10名
絵本の朗読(シマ唄入り) あまみ民話絵本「ゆむんどぅり と きちきゃ」


奄美民話の会が発行した「あまみ民話絵本シリーズ」の中から、
姉妹のスズメとキツツキのお話。親孝行についての教訓です。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

この民話を瀬戸内町の方言で読み、
途中、「行きゅんな加那」「イトー」のシマ唄を挿入し仕上げていました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

板付け舟で大島海峡横断した俵中学校のみんな。集落の高齢者から指導してもらい、練習を重ねたそうです。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





8) 池地小中学校 4名
シマグチ劇 「 きつねの卵 」


落ちていた卵を食べようと狙っていたキツネ。
ヒナが産まれると、お母さんと間違えられ、
追いかけられてかえって困ってしまうというお話。
いいツッコミしてます。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

毎年、シマグチで劇を練習して、
学習発表会でも地域の方々に楽しんでいただいる池地小中学校。

小学生1人、中学生3人の併設小中学校。
奄美大島本島からさらに離れた請島の学校です。
ウサギ、リス、キツネ、アナグマに扮し、最後には六調も踊りました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会



9) 阿木名小学校 7名
伝統芸能(八月踊り) 「 おぼこり 」

阿木名小学校の3年生だけの出演。
阿木名八月踊り保存会の指導で、子ども達だけで唄、チヂン太鼓、踊りに挑戦しました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

運動会で踊った八月踊りで参加したいと子どもたちからのリクエストだそう。
元気いっぱい、もう慣れた様子で、楽しそうに踊っていました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





10) 久慈小中学校 5名
シマグチ劇 「 軍艦ばなし 」

久慈集落の長老たちから聞いた、大げさな話、作り話。
シンプルな構成で話を聴かせます。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

真面目そうな話なんですが・・、オチがあって面白い話。
久慈集落では、大げさな話をする人を”軍艦”と呼ぶそうですよ。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

出演した子ども達みんなに言えることですが、
礼儀正しく、とても気持ちがいいです。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会



11) 俵小学校 7名
三味線・シマ唄 「 俵小ユンタ 」「 ちゅっきゃり朝花節 」

「俵っ子トライアスロン大会」でがんばっていた子どもたち。
6年生の三味線に合わせての、今度はシマ唄を聴かせてくれました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

有名な「安里屋(あさとや)ユンタ」のメロディーに合わせて、
俵小学校のために集落の方が作ってくれた「俵小ユンタ」。
豊年祭や学習発表会でもよく歌っているそうです。

トライアスロンの時と同じように、みんな一所懸命。
3ヵ月半ぶりに見た子どもたち、
ちょっと成長した姿に嬉しくなりました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





12) 油井小学校 11名
シマグチ劇 「 油井の豊年祭 」


県の無形民俗文化財に指定されている「油井の豊年踊り」
集落が誇る伝統芸能を劇化したものです。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

まさにミニチュア版! 本当に上手に再現していました。
こうやって小さな頃から親しむことで、
伝統芸能を守っているんですね。感心しました。

ガットドンの動きなんて、大人顔負けでしたよ。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





13) 薩川小学校 6名
シマグチ(音楽劇) 「 よいこの数え唄 」

高齢者の方が教えてくれた、集落に残る子どものしつけについての数え唄。
この唄をシマグチに直し、
演技をまじえた劇としました。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会


「六つとせ 無理を言わずにニコニコと
お使いするのは良い子ども アラおもしろや」(ホントはこれがシマグチになっています)
シマグチは、6年生がおばあちゃんに聞き取りして直したそうです。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

神さま役もバッチリ。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

木慈の垣おこしバッケバッケなどでも会ったみんな。

衣装や小物も凝っていて、しぐさもカワイイ!
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





14) 諸鈍小中学校 12名
シマグチ劇 「 諸鈍においでよ 」

映画「男はつらいよ」で、シリーズ最終作「紅の花」のロケ地となった加計呂麻島の諸鈍。
この映画を見た3人が諸鈍に住む友人の家を訪ねて遊びに。
そこで寅さんの家を訪ねてみると・・・というシマグチ劇です。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

遊びに来た3人を案内しながら、諸鈍長浜、石垣、デイゴの花など、
諸鈍を上手に紹介していきます。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

映画の内容と諸鈍の風景をうまくストーリーに取り込んでました。
一番左は・・・リリーさん!!
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会





15) 古仁屋中学校 2名
三味線・シマ唄 「 よいすら節 」「 らんかん橋 」 

最後は、古仁屋中学校の三味線クラブの2人が登場。
新任式、学習文化発表会、離任式など
さまざまな学校行事で演奏活動を行なっています。

堂々とした唄いっぷり。
次々とシマ唄の唄い手が出てくるのは、こういったクラブ活動も盛んだからこそ。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会



最後に、昨年までこの大会の審査委員長をしていた渡 哲一さんより講評です。
渡さんは、瀬戸内町を代表するシマ唄の唄者。

渡さんの講評もすべてシマグチでのお話。
移住9年目の私にとっては、かなり高度なシマグチでした。
内容は、ほぼ理解できました(と思います)が、
シマグチそのままを文章で書き起こすことはさすがにできません・・。
瀬戸内町 子ども島口・伝統芸能大会

奄美にしかない貴重なシマグチは、文字にはしづらいもの。
学校では、なかなか教えられないもので、
地域の人たちが教えてほしい。

そして、子どもたちには
一緒にシマの文化・財産を守っていきましょう、と渡さん。


生まれも育ちも島でも
ふだんは使わないようなシマグチを使い、
演劇やシマ唄、お話を披露してくれた子どもたち。
難しい発音や言い回しなどが多く、練習も大変だったと思います。

これだけさまざまな形で
各学校が発表できるほど瀬戸内町の各シマに伝統や文化があることは
他の地域では見られないこと。

小さなうちからこうやって学び、
そして披露する機会がある。

子どもたちにとっても、
瀬戸内町にとっても大きな宝・財産になっていくことでしょう。

このブログの取材でお世話になった学校、子どもたちも多く参加していて、
まるで身内の子がステージに立っているような気持ちになりました。

子どもたちのがんばり、
ぜひ来年は観にいらっしゃってください。




2012.10.27
瀬戸内町 古仁屋


S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会) 広報K

鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内






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Posted by ヒギャジマン プロジェクト at 17:02│Comments(0)行事・イベント
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