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2013年03月19日

クロマグロ研究 「西海区水産研究所 奄美庁舎」

瀬戸内町は、「クロマグロ養殖日本一」のまち。

「まぐろ養一」クンなる、ゆるキャラも誕生していますね。

数社の民間企業のマグロ養殖場や、
大学の研究所などが大島海峡周辺にあり、
日本人が大好きなマグロを世に送り出しています。

そのうちの一つに、
公共的な立場でクロマグロに関する研究を行なう

独立行政法人 水産総合研究センター
西海区水産研究所 奄美庁舎」があるのをご存知でしょうか。


クロマグロ研究  「西海区水産研究所 奄美庁舎」

第6回の島案内人育成講座(主催:瀬戸内町役場まちづくり観光課)に同行して、
加計呂麻島・俵の仲田浦にある施設にうかがってきました。

案内してくださったのは、
「まぐろ増養殖研究センター」種苗量産グループ長の塩澤 聡さん。
クロマグロ研究  「西海区水産研究所 奄美庁舎」


今回は、残念ながら迫力満点のマグロの給餌を見ることはできませんでしたが
スライドを使って、研究内容や目的、
マグロ養殖の現状など、さまざまなことを教えていただきました。

クロマグロ研究  「西海区水産研究所 奄美庁舎」

こちらは、平成7年に「(社)日本栽培漁業協会 奄美事業場」として開所。
その後、統合や名称変更などを経て、
平成23年に現在の名称となりました。


この「西海区水産研究所 奄美庁舎」は
クロマグロに関する増養殖研究の拠点として、

親魚養成、産卵、種苗生産(稚魚を育てる)、中間育成、
および放流に関する基礎的技術の研究開発に取り組んでいます。


施設内には、
管理棟をはじめ、ふ化棟、種苗生産棟、実験棟などが。、

また湾内には、生け簀があり
クロマグロの親魚養成や種苗の育成などを行なっています。

クロマグロ研究  「西海区水産研究所 奄美庁舎」

母体となる水産総合研究センターは、

水産物の安定供給の確保と、健全な発展に貢献するため、
一貫した研究開発と個体群の維持などを総合的に行なう独立行政法人。

クロマグロ研究  「西海区水産研究所 奄美庁舎」

ここで、個人的に初めて聞いたのが『 栽培漁業 』という言葉でした。


昔は、自然の海にいる魚介類を「とる漁業」。

『 栽培漁業 』は、「つくり育てる漁業」の一つ。

魚介類は、卵から稚魚の時点でたくさん死んでしまうので、
その時期を人間が育て
自然の海で生きていける大きさに育ったところで稚魚を海に放す。
その後、海で育ったその魚をとる漁業のことを言います。

栽培漁業は、天然資源と放流資源を包括的に管理することによって、
水産資源の維持・増大を目指し、安定した漁業生産の確保に結びつけようとするもの。


全国にある水産総合研究センターの施設では、
その土地にあった魚介類の栽培漁業に関する研究がなされています。


クロマグロ研究  「西海区水産研究所 奄美庁舎」

そのなかで、奄美庁舎では、クロマグロが研究対象になっています。

さまざまな要因で世界中でマグロの消費が増大し、
漁獲規制騒動が起きるなど
マグロをめぐる状況は厳しくなっています。

また日本は世界で漁獲されるマグロの4分の1を消費する
世界最大のマグロ消費国。

しかも食べているマグロの60%は外国産のマグロで、
世界最大のマグロ輸入国。


世界的にも、国内的にもクロマグロの安定供給ができるように、
栽培漁業による種苗の放流(稚魚を育て、海に放流)と養殖が急務となっているようです。



マグロの中でも、クロマグロが選ばれたのは、

・マグロのなかでも、最も大型に成長

・年間の成長量が最も大きい(奄美は水温が高いので成長も早い)

・極上のトロが取れ、美味しく刺身マグロとして珍重されている

・マグロの漁獲量の約2%と、希少価値がある

・産まれた日本周辺戻ってくる産卵回帰性がある

などの理由が。


クロマグロ研究  「西海区水産研究所 奄美庁舎」


瀬戸内町がクロマグロ養殖日本一となったのは、

・複雑に入り組んだ地形で台風など荒天時に波浪の影響が軽減される

・成長に適した20-28℃の水温で、
 内地では3年間がかかるところが、奄美では2年間で出荷可能

・早く出荷できるので、人件費が減らせる

などの要因から。


クロマグロ研究  「西海区水産研究所 奄美庁舎」


国際的に重要な漁業資源であり、
日本人が大好きなクロマグロ。

瀬戸内町は、
養殖で日本一になるとともに、
こういった研究施設でクロマグロ漁業の存続と資源管理を支えています。


現在、クロマグロはまだまだ人工的に作るのが難しく、
天然の幼魚ヨコワから増やしている状況。

同施設のクロマグロ研究が目指すものは、
人工種苗(稚魚)を使用した養殖、
100%日本産マグロの供給や、
日本が世界最大のマグロ輸出国となること。

そんな研究が瀬戸内町でなされているんですね。

今回は、漠然としか知らなかった
瀬戸内町とクロマグロをとりまく状況について
いろいろと学べ、たいへんいい機会となりました。


なお、同施設の見学は、教育・学習・研修目的のみ可能。

個人では見学できませんが、
機会があればぜひ参加してみてください。



■ 独立行政法人 水産総合研究センター http://www.fra.affrc.go.jp/

■ 水産総合研究センター 西海区水産研究所 http://snf.fra.affrc.go.jp/  







2013.2.27 瀬戸内町 加計呂麻島 俵 

S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会) 広報K

鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内




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Posted by ヒギャジマン プロジェクト at 18:06│Comments(0)加計呂麻島
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